民進党代表選挙の裏側

経営相談師の機(ハタ)です。

 

先日、知り合いから面白い仕事があると誘われました。

一晩都心の一流ホテルにカンヅメになって書類の仕分け作業をするだけで、

2万円近くの手当が貰えるとのことです。興味津々で当日夕方からの研修に

参加しました。

 

怪しい仕事ではないと判っていましたが、やはり予想通り民進党の代表

選挙の開票作業でした。当日の夜までに全国の党員・サポーターからの票が

都道府県ごとに集められ、その単位で候補者毎に仕分けする作業です。

翌日の午前中に国会議員の投票があって、最終的に代表が選出された後に、

臨時党大会と記者会見をする段取りになっていました。そこで、議員の

投票前に開票情報がマスコミ等に漏れないように、カンヅメ状態で情報統制

する必要があったということです。

 

深夜1時半に開票作業が始まり、4時頃には終わってました。その後は、

いわゆる軟禁状態で、記者会見が始まるお昼まで約8時間の「待機」でした。

選挙の開票作業自体は過去にも経験があるのですが、この仕事をして

いくつか考えたことがあります。

 

まず気になるのは、選挙の費用です。

私と同様に開票作業に従事した人間は、150人です。一人2万円として、

党本部員以外の人件費は300万円です。もちろん直接雇っている訳ではなく

派遣会社を通して確保した訳ですから、3割のせたとして約400万円。

次に一流ホテルのイベントホールをフロアごと借り切っていましたので、

200万ぐらいはするでしょうか。あ、朝食に仕出しのサンドイッチと

休憩に提供されたコーヒー、お茶なども、一人あたり千円勘定で党本部員

を含めて200人で20万円。これは大した金額ではないですが、記者会見や

党大会などに要した費用を諸々に含めると、この日だけで一千万円近く

かかったものと思われます。

しかし、トイレに行った時にチラリと見た会見場では、多くのマスコミが

押し掛けてきておりました。そのマスコミによる宣伝効果を考えると、

一千万円は、広告費として安いものなのでしょう。

 

次に立候補者です。

候補者は3人。敬称略で、蓮舫、前原誠司、玉木雄一郎です。蓮舫氏は

ずっと前から立候補を表明していたようで、他の候補が出なければ、

無投票で代表になり、選挙は行われません。これでは、党として困る

わけです。なぜなら、全国的なイベントとして代表選挙をやることにより、

民進党の野党第一党としてのステータスを保つとともに、この機会に

党員/サポーターの拡大を図ろうという思惑が外れるからです。

そこで前原氏が立候補を表明する訳ですが、1対1では、蓮舫氏が勝つのは

目に見えてて、面白く無い。そこで知名度の無い玉木氏が登場するのです。

玉木氏は、どう見ても選挙の盛り立て役ですね。これで巴戦となり、

一応党としては、代表選挙の格好がつく訳です。あくまでも一般の人間が

外側から見て考えたことなので、党本部が本当にそう考えたかどうか

わかりません(笑)。

 

最後に開票作業のやり方です。

今時珍しく、仕分け作業を人力で行っていました。現在国政選挙などは、

投票用紙の自動読み取り機械があり、数十名の候補者の票を自動的に

仕分けしてくれます。漢字は言うまでもなく、ひらがな、カタカタまで

候補者毎に認識してくれます。その機械を使わずに、なぜ人海作戦で

開票作業をしたのか?これはやはりイベントして捉えたからでしょう。

現実に我々の開票作業の模様をテレビカメラで収録しておりました。

開票の模様を全国に放映するとしたら、自動読取機のアップ画面より、

150人の人間を動員した画面の方が、重みがあります。おそらく、その

一点だけで400万円の人件費を使ったのではないかと思うのは、考え

過ぎでしょうか?ちなみに、私を雇った派遣会社は、その自動読取機

のメーカーから仕事を貰っていました。面白いと思いませんか?